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オハコのこんな事ばっか考えてる。

オハコと申します。オタク関連を中心に広く浅く何かと考えた事を書いていこうと思います。

「ビフォアウォッチメン」ミニッツメン編は一番最初に読むべき「ビフォア」かも

マンガ
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先日アメコミ「ビフォアウォッチメン ミニッツメン・シルクスペクター」を買って読了したので感想などでも〜。

まずはミニッツメン編の方で記事を1つ。
 
 

 
表紙はリアルタッチなフーデッドジャスティスですが、本編は「ディックトレイシー」みたく、描きこみすぎないシンプルでクラシックな雰囲気が『前世代・ヒーローチーム』なミニッツメンらしくて最高!
ウォッチメンより以前の「牧歌的なヒーロー黄金時代(ゴールデンエイジ)」の時代に浸れますな。
 
 

「空飛ぶアホ」から「勇敢なる悲劇の男」へ

ストーリーで個人的に特筆すべきは、本編でもチョット出のくせに「空を飛べたらしいけどオツムがアレ」という異様な存在感を放っていたヒーロー、モスマン
彼が現役だった頃のちゃんとした活躍が見れて良かった。
 
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ネタバレですが、モスマンがああなってしまったのは「空を飛ぶことの恐怖」…さらに言えば「空を飛ぶための自分自身の発明がはたして安全なのか?という自信が持てない恐怖」と、そこから逃れるためにアルコールやドラッグの過剰摂取に陥った結果…という理由付けがされています。
ここらへんは、ウォッチメン本編にも通じる「SFのなかで描くリアリティ」の雰囲気が再現されてるなぁ!と目を見張りました。
ただ、本編でコメディアンがレイプ未遂を起こすシーンの時系列的には彼の症状の進行度に齟齬があって、細かいですが少し残念かなとも。
 
とにかく、ウォッチメン本編では「ヒーローの重荷に耐えれなかったアホボン」みたいな扱いだったモスマンが、このミニッツメン編では「特異な能力を発揮したゆえにその闇に蝕まれていった悲劇の人」って感じに。
そしてそれでもヒーローになることは誇らしいんや!という心意気なんかは、映画「キックアス」冒頭の演出を思い出しましたね。
 
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(ちょうどHuluにキックアス配信され始めててナイスタイミン)
 
 

愛と復讐のヒロイン・シルエット

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もうひとり評価爆上げなミニッツメンメンバーといえば、やはりシルエット姐さんですなー。
彼女はミニッツメンに参加しつつそれとは別に、独自の大きな使命を抱いていた…という設定が後付けされ活躍してます。
ラストは本編でも言及された通り、レズビアンであることを罵倒されたうえむごたらしく殺されるという非業な最期。ここに至るまでのエピソードも、60年代アメリカ当時の情勢をうまく取り入れた、愛した女性との壮絶なエピソードを描き出してます。
同じミニッツメンのメンバーだけど、セクシーシンボルでありその活動に商業的な側面もあった初代シルクスペクターとの対比も面白かった。
 
 

一番地味だけど一番幸せを実感できたヒーロー

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でもって、実質このミニッツメン編の語り部かつ主役であるはずの初代ナイトオウルですが…まぁー他のメンバーの活躍と比べると地味ですね!(酷
 
とはいえ地味めな活躍だからこそ読んでいる側にとっては、同じ目線でウォッチメン・ヒストリーの当事者のように感情移入できるというか。
他のミニッツメンメンバーがヒーロー活動をする目的として復讐だったり人気取りだったりがあるわけですが、ことナイトオウルは他メンバーよりシンプルに警察官としての正義の心からの奮闘で、親しみやすいキャラ付けですし。
 
苦い経験も多々ありつつ正義の信念に奔走して、やがてヒーローとして街を救い、市民のこどもたちに賞賛される…そのときの彼の満足げな姿には、かなりグッとくるものがありました…!
ヒーローやってて良かったよホリスおじさん!あんたも間違いなくヒーローだよ!ホリスおじさん!
後々のウォッチメン本編でこの上なくやりきれない死に方するけど!(涙
 
 

「前世代ヒーロー年代記」な読みやすさ

そんなわけで、「ビフォアウォッチメン」のミニッツメン編の感想でした〜。
 
ビフォアウォッチメンは他のエピソードだと表題の登場人物ひとりにグッと焦点を絞ってキャラを掘り下げるのが特徴のシリーズなのですが、それゆえにキャラ一人のパーソナルに深く入り込んで読んでいくので、読み進めるのに体力つかう…という面もあったり。
 
その点で言えばミニッツメン編はナイトオウルという語り手を据えて、前世代ヒーロー全員の活躍をちりばめて同時進行させていくので、息詰まり感なくサクサクと読めるなぁと。
スタンダードなアメコミの長編として読み進めやすいので、ビフォアウォッチメンのなかで刊行順はたしか2巻目ですが、このミニッツメン編を最初に手に取るのがオススメかなっと思いました〜。
 
 
次回は、同書にもう1つ収録されている「二代目シルクスペクター(ローリー)」編の感想などをば。