オハコのこんな事ばっか考えてる。

オハコと申します。オタク関連を中心に広く浅く何かと考えた事を書いていこうと思います。

「ビフォアウォッチメン」シルクスペクター編は、愛と喪失のヒロイン活劇

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なんだこのほろ苦い青春物語!?(驚愕)

 
というわけで、前回に引き続いて「ビフォアウォッチメン」シルクスペクター編の感想などを。
 
いやーそれにしてもホント、あのローリーからこんな「チャーミング!」だったり、「切ない!」と思わせる作品が生まれるとは。
 
そもそも人間をとっくにヤメちゃった文字どおりの超人・Dr.マンハッタンとよろしく付き合ったばかりに、リアルガチに「宇宙規模」で彼に振り回され、あげくウォッチメン読者みんなからは「この年増ヒス女!」みたいな散々の評価を受けているヒロイン、二代目シルクスペクターことローリー。
この本ではそんな彼女のうら若き青春の日々が綴られていきます。
 
 

16歳の多感な時代、それを彩るオシャレな絵作り

 
まずはじめに、コレは単純に「恋とヒーロー活動に悩む女の子」マンガとして、少女漫画としても売れるんじゃないか!?
って言いたいくらい、若者の恋愛や感情を鮮やかに描いています。これも楽しく読み進めていける良作品ですなー。
(後半になるにつれ社会のおぞましい暗部に飛び込んでハードになってもいくのですが(笑)
 
若きローリーの多感な内面を表したデフォルメ絵とかの演出がまたわかりやすいし可愛らしいんですよねー。ここら辺は作・絵の担当として女性作家が起用されたのが活きているなぁと。
 
 
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物語中盤以降の舞台は、ヒッピームーブメントで賑わうサンフランシスコ。
そんな時代を反映させた、カラフルでサイケデリックな色使いや衣装・デザインの数々もレトロオシャレでセンス抜群なところも魅力です。
 
 

その蹴りを見よ!

ウォッチメン本編ではあまり戦闘シーンも描かれなかったローリー。だけど、今回は主役ということもあってカッコいい戦闘シーンが何度も出てきます。
 
中でも目を引くのは脚技の数々で、しなやかな脚線美から放たれるキックや、脚での絞め技がなんとも華麗。
ウォッチメンの戦闘シーンといえば、シャッハさんの道具を活用した泥臭いクライムファイトが印象的なので、ほぼ体一つで相手をノしていくシルクスペクターのスタイルは、どことなくそれと真逆の、純然にヒロイックなイメージ。
(彼女が劇中で初めて拳銃を握った瞬間、それまでになかったような表情を浮かべた点もその一因かな)
 
ただし!相手が男の敵の場合はほぼ抜かりなく金的攻撃でタマを潰していかれるので、読んでいる男の身すれば股間がキュッとなることうけあい。恐ろしや恐ろしや…
 
 

戦闘ヒロインの魅力の詰まった物語

という感じの、「ビフォアウォッチメン シルクスペクター編」感想でしたー。
 
ヘンな方向に有名人だった母親からの抑圧、そこから抜け出してたどり着いた新たな生活、心の通じ合った彼氏との恋…
そんな16歳らしい多感な心情とともにサスペンス・アクションが展開していく満足度高しな作品でした。
 
ウォッチメンのローリーが…というだけでなく、一つの若き戦闘ヒロインの冒険譚として、その手のアクション漫画が好きな人にはオススメですよー