オハコのこんな事ばっか考えてる。

オハコと申します。オタク関連を中心に広く浅く何かと考えた事を書いていこうと思います。

映画「フューリー」みた。主人公が「進撃」エレンっぽい!とか、皮肉な構図のラストとか

映画『フューリー』がhuluで配信されてた!未見だったので早速観ましたよ~。

「最近の戦車モノ」つながりで、『アニメならガルパン・実写ならフューリー』てな感じでよく語られてましたね。
自分も観終わってブラピたちタンク野郎どもの生きざまを堪能しました。ってわけで、ここらへん面白かったよ!って感想をば箇条書きで。

 

 

主人公はまるで「進撃」エレン!?なCV:梶 裕貴の新米乗組員

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この作品てっきりブラピが主役だと思ってたんですが、主人公はどっちかというと『戦場を知らないお坊ちゃん』な新米乗組員(画像の上の人)。ブラピはこの新人に血なまぐさい戦場のイロハを厳しく叩き込み、成長させていくベテラン役。もちろん活躍するのはブラピ隊長ですが、観客の感情移入先としてはこの新米クンのほうですね。

で!重要なのは、吹き替え版でこの新米兵の中の人を梶裕貴さんが担当してるとこ!(そこ!?)

一言でいうと声が梶さんであることと、青二才として登場した彼が劇中で徐々に『前線の兵士』として成長・覚醒していくのが、なんともエレンを思い出して仕方ねーわけです。

彼は戦場の後方で書類仕事をするつもりがM4戦車の乗組員に配属され、荒くれものと血みどろの前線にはじめは文句ぶちぶち…(そこらへんは始めから(巨人を)ヤる気満々なエレンとは違いますが。)
しかしそんな彼が戦場で様々な洗礼を受け、(自分のミスで仲間を死なせる、隊長からドイツ兵を『自分の手で殺してみろ!』と強要される、進駐先で通じ合った女性を喪う…etc)をうけ、終盤ではすっかり覚悟完了済の猛る一兵士となっていって…

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「非人道的だ!」と喚く彼がブラピ隊長から『戦争とはなんたるか』を過激に叩き込まれる姿。
ここらへんは、壁外調査で女型の巨人の猛攻をかわしつつも仲間の死を目の当たりにして取り乱すエレンに、冷徹な作戦遂行の覚悟を説くリヴァイのシーン…なんかを思い浮かべたり。なんたって「ピーピーうるせぇ青二才」感を演じたらピカイチな梶さんボイスなので仕方ないね。

なんか半分進撃トークになってしまいましたが、進撃同様『若き兵士の成長譚』としても楽しめる映画なので、進撃ファン・梶裕貴ファンにもオススメかなーと。

 

 

アツい!&よくわかる傑作の戦車戦シーン

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映画のハイライトともいえるのが、M4戦車隊がドイツ軍の防衛部隊やティーガーと戦う場面。『戦車はこうやって使うんじゃよ!』といった具合にわかりやすく、かつアツい戦闘シーンで大興奮&大納得です。

まずは敵の狙い撃ちされるため膠着した味方の歩兵より前に出て盾になったりする使い方で歩兵との戦力差を思い知ったり…
そしてM4とティーガーの戦車VS戦車になった際は、互いに装甲の薄い箇所を狙う『効果的な一撃』を与えるための”位置取り"合戦となり、そのため相手に砲を向けられつつもギリギリまで攻撃できない…!この緊迫感が凄まじかったです。

こことは別に、行軍の道中では"何度も戦車の履帯に轢き踏まれてクチャクチャの平面状になったであろう死体"の上をまた轢きながら進んでいくシーンもあったり、ことに戦車っつー兵器の恐ろしさをまざまざと体感出来ます。

 

 

意外な結末?「英雄」という言葉が空しく響くラスト

ここは完全にネタバレですが、終盤のラストバトルからの結末がけっこう意外&皮肉な感じだったのが印象的でした。

動けなくなった戦車で孤軍奮闘するフューリー号メンバーですが、ついには敵の波に押し込まれ次々やられていき、もはや残るは前述の新米とブラピ隊長。ここで新米を逃がしたブラピ隊長は最期の奮戦を前に密かに銃口を構えていたスナイパーにやられ、逆に新米は銃撃の嵐から脱出するも一人のドイツ兵に見つかる!…と思いきや最後の一人への情けかドイツ兵が彼を見逃してやり、その後友軍に救出されます。

M4戦車を駆り圧倒的な火力で無数の敵兵を容赦なく駆逐してきたブラピ隊長が、戦車の砲弾に比べりゃあまりに小さいスナイパーの銃弾に倒れる。

一方で、戦場の無慈悲さをいやと知ってドイツ兵を殺すことが信念と化した新米が、そのドイツ兵のふとした慈悲によって命拾いする。

どちらの場合も、なんというか皮肉な対比が込められているような構図になっていて、ありがちなアクション映画ではやらないであろうヒネった幕引きで終わるところに驚きましたね~。
決死の孤軍奮闘が成果となったのは確かなので、救出された新米はモブ兵士から「おめーは英雄だな」と軽く声をかけられる。でも本当の英雄と言うべきブラピ隊長は死に、共に戦ったとはいえ最後はドイツ兵に見逃してもらった自分が英雄…?
そんな自問自答もあるのか、憔悴しきった表情で救護トラックに乗せられる新米の姿で終わるラストはズシンと来るものがありましたね…。

 

ってなわけで、カッコいい戦車の映画!ってだけじゃあないドラマも楽しめた「フューリー」感想でした。

ちなみに丁寧な批評や作品のディティールについては、特に↓のエントリがめっちゃオススメ。一風変わった?演技指導や、戦車ディティールのすばらしさも詳しく解説されてます。

d.hatena.ne.jp

 

ブラピ隊長のフィギュアもあったりするのか…米国は"実写キャラ"も頻繁にフィギュアになるよね。