「こうの史代 作品展」へ。マンガ原画=原寸大で伝わるこうのマンガの衝撃
今月7日まで開催されていた「こうの史代 作品展」に行ってきました~!
入り口にある特大パネル。うまく写ってないですが、右上にこうの先生直筆のイラストががが!!
展示内容としてはこうの先生作品のマンガ原画の展示。
いくつかの代表作の複製原画をメインに、うち何割かはこうの先生直筆の生原稿(!)も鑑賞できました。
近鉄百貨店の催事コーナーで開催されたこじんまりとした催しではありましたが、限られたスペースの中に多くの原画やイラストが展示されていて、生原稿もたくさん。
なかには表紙コミックスの表紙で使われるイラストなど、肉筆のカラー作品もあったのが嬉しい誤算。
この目で直接、アナログ画材の優しいタッチで仕上げられた絵を鑑賞できたのはかなーり感動…!
という感じで、大満足の内容でした!
じつをいうと”原画展”ということで「まあ言っても見るものは漫画と同じってことだよなー」なんて思っていたのですが…
いざ展示を見ているうち、原画=「作者が描いたマンガそのもの、マンガの原寸大」であることの面白さに気付いて、そんな考えを反省!
とくに大きく描かれる、「夕凪の街」の衝撃的な背景が重なるキスシーンとか、「この世界の片隅に」の空襲が始まるシーンとか…その原画が目に入ったときにガーンと伝わってくる”オリジナルのまま”の衝撃。
作者が描き伝えようとするモノが、読んでいるこちらにそのままダイレクトに伝わる感覚。
これが誌面で見るのとは違うな~、と。
また、もうひとつ今回の原画展で面白かったのは「ぼおるぺん古事記」という作品の原画。
これはタイトル通り(マンガ執筆には向かないらしい)ボールペンを使って「古事記」をマンガとして描いたもので、生原稿も多数展示されていました。
マンガで使うペンと墨汁ってのは、自分たち一般読者には縁遠い"画材"…。
そうでなく、むしろ自分たちには馴染み深い"文具"であるボールペン…あの筆圧が薄い所は妙に紫がかってしまう…生原稿には、たしかにあのボールペンの線!
あれでここまで凝った一枚絵が描けるのか!っていうオドロキたるや…
とくにこうの先生はカゲを入れるとき、トーンなどでなくカケアミで一つ一つカゲを作画していくので…
展示されていた上の絵の原稿をみたときなどは、その描きこまれた光の濃淡の表現から、”温度”みたいなものまで感じましたね…!
開催期間が短く、自分も途中で知って最終日になんとか駆け込んだ催しでしたが、行った価値大いにアリの催しでした~。
つーわけで近鉄さんにはこの一言をば。
「ありがとう この大阪の天王寺に こうの史代展を催してくれて」(CV:のん)。
…って、ググってみたら、ただいま東京で今回の展示含めさらにボリュームアップな展覧会を開催中とのこと!
800円と入場料もお手頃!関東のひとは行ってらっしゃい。行ってらっしゃい。