アメリカンレトロも楽しめるマクドナルドの黒歴史!?映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」
映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」を観てきました!
1954年、アメリカ。シェイクミキサーのセールスマンである52歳のレイ・クロック(マイケル・キートン)は、8台もミキサーをオーダーしてきたマクドナルドというドライブインレストランに興味を覚え訪ねてみる。
そこでレイは、経営者のディックとマック兄弟による、高品質、コスト削減、合理性、スピード性などを徹底させたビジネスコンセプトに感銘を受ける。契約を交わしてチェーン化を進めるが、ひたすら利益を求めるレイと兄弟の仲は険悪になっていき……。
wikipediaでマクドナルドの歴史について読んでみると「創業者兄弟ともう一人の経営者、双方ドロドロの争いが…」的な話が載ってあり、面白いなーと思っていましたが…それが映画化!?これは観ずにはいられぬ!
というわけで梅田のシネリーブルへ見に行ったのですが、単館系の劇場ゆえ普段は少なめなお客さんが、なんと今回は満席に近い状態でした。
やはり誰もが知る「マクドナルド」という企業と、名優・ マイケルキートン主演という組み合わせでみんな関心度高し!って事ですね~。
アメリカンレトロな映像が隠れた魅力
いきなり本筋とはズレますが、 この映画、いわゆる「アメリカンレトロ」なセンスが楽しめるのが個人的に好きなトコロです。
流線型のクラシックカーでやってきた古風なワンピースの奥さんが、子供と一緒にバーガーを頬ばる…
戦後の日本人が憧れたような「資本主義的アメリカ生活の肖像」というんでしょうか? 何とも言えぬレトロな魅力がありますよ~。
映画の中でもこういう光景に主人公が目を奪われるシーンがあったりしたので、 制作側もなんとなく意識して作ってるのかなーとw
つーわけでそんなアメリカンレトロな風景が随所に楽しめるのも、この映画の隠れた魅力。オカタい内容の映画とも言えますが、こういうレトロポップなセンスが好きな人にもオススメの一作です。
タイトルから演出まで、主人公への皮肉たっぷり
ビジュアルでいえば、主演マイケルキートンの野心ムンムンで胡散臭い笑顔が素敵すぎる!w
そして作中では、そんな狡猾な成功者である彼への皮肉が効果的にちりばめられているのも最高でした~。
ネタバレですが、 マクドナルド兄弟が考案したスピード提供システムに始まり、粉ミルクシェイクのコスト削減、マクドナルド=不動産屋といえるシステム…と、他人からもたらされるアイデアを活用して名を上げていく主人公クロック。
あげくラストで彼が練習していた演説の内容まで、愛用していた自己啓発オーディオブックの受け売り!という徹底ぶり…そんな彼の物語のしめくくりに現れる「ザ・ファウンダー(創業者)」というタイトルロゴ。
ぴゃー!もうこの皮肉ききまくりな演出で打ちのめされましたw
劇中で語っていた「ビジネスの世界は弱肉強食」というセリフも相まって、観終わったあとはマクドナルド兄弟と同じように、肩の力が抜けて途方に暮れるような感覚…。
ただ、エンドロールに登場する本人映像でも語られた彼の意外な「着眼点」。
一見確証のないコレに賭けてチャレンジを続け、今日のマクドナルド帝国を築いたレイ・クロックは、やはり小ズルい悪党ではなく、優れた実業家であったのだろうなぁと思わされます。
それにしてもお昼時をまたぐ上映回に見に行ったので、鑑賞中はお腹が減って仕方ありませんでしたw
鉄板の上でたくさんのパティがジュージューと焼かれているシーンのウンマそうなこと!前半はバーガーを食べる人のシーンもかなり多いので、なんという飯テロ。
本当の創業者・マクドナルド兄弟はバーガーの品質もかたくなに重視していたので、 きっとうまかったんだろうなァ…
(でもラストのマクドナルド兄弟のバーガーショップは…やはりあの「着眼点」は当たっていたのか)