オハコのこんな事ばっか考えてる。

オハコと申します。オタク関連を中心に広く浅く何かと考えた事を書いていこうと思います。

クイーンの偉大さが伝わる『完成度』!映画「ボヘミアンラプソディー」感想

ちまたで超〜!盛り上がっている映画「ボヘミアンラプソディ」観に行きました!

www.foxmovies-jp.com

もちろん最高だった!!ってわけで感想をば!(「!」の数が多い!)

 

PV的軽快さ/じっくり描くドラマ…の絶妙なバランス

予告を最初に見たときは

「クイーンの音楽ドキュメンタリーものかな?面白そうだけど、こういうの平坦だったり、心情描写に重きをおいて深刻になりすぎたりするよなー」

とか予想してたんですが…

意外や意外、むしろテンポよくドラマが進んでいき、盛り上がりどころはトコトン盛り上げて、ラストは長尺のライブ再現シーンのフィナーレでバッチリ感動させられました。

終始静かなトーンになりがちなドキュメンタリーとは良い意味で(そして史実の面では悪い意味でも)真逆の、完成度の高い珠玉のエンターテインメント作品ですね!

 

特に好きなのは、心情的にポジティブなシーンではとことん軽快な見せ方を徹底してるトコロ。

名曲が生まれる瞬間など、バンドが「上手くいく」 流れに入った時は、映画というよりは音楽PVのようなおシャレで大胆な映像手法で描かれるんですよね。

f:id:asitanoyamasita:20181129001723g:plain

全世界規模のツアーを巡っていることを示すシーン(ステージにフレディのポージングと開催都市の文字が飛んでいくアレ)とか、『そんな見せ方していいの!?』ってくらい駆け足なんだけど、映像はカッコ良いし爽快感もあるし、まあいっか!!みたいなw

 

しかし全編がそんな軽いノリばかりで進むわけではなく、フレディが苦悩するシーン…自身のコンプレックス・恋人関係・メンバーとの軋轢・etc…では、現実的で落ち着いた構図や時間が流れる映像で、じっくりと観客に登場人物のドラマを伝えると。

f:id:asitanoyamasita:20181129002554j:plain

言っちゃえば『はい、皆さん!ここはフレディたちの心情や葛藤をしっかり見ていて下さいね。ここドラマの勘どころです』って明確に教えてくれて、だからこそ主人公フレディの半生に感情移入しっかりしちゃって…ラストのライブではそりゃ泣かされますよ!上手いなぁチクショー!

 

しかもこういうシリアスでしっとりしたシーンが続いたな、と思うと前述のような軽快なシーンがやってきて…そんな陰と陽のシーンがちょうどいいバランスと順番で巡り巡って飽きることなく、ラストの大舞台で昇華される…。

このエンタメ作品としての完成度っちゅーか、観てるこっちの感情を上手い具合に転がしてくれる度合い。すごいなぁ〜!と。

 

 

それまでのドラマが集約し爆発するラストのライブシーン
f:id:asitanoyamasita:20181127172038j:image

なにより素晴らしいのが、もはやネットでも語り草なラストのライブエイドの完全再現シーンですね。

実際に演奏されたセットリストのなかの歌詞が、それまでの劇中でたどった主人公・フレディの半生と重なり、結ばれていくつくりに、もう涙不可避。

「画竜点睛」とは言いますが、まさにこのラストの完成度が、前述の『陰と陽のシーンのバランス』の見せ方と相まって、この映画を傑作たらしめるというか…。

f:id:asitanoyamasita:20181129003505j:plain

またステージ上の再現はもちろんのこと、熱狂する観客たちが…老若男女、中にはフレディと同じマイノリティな性や人種となる人々も…一体となってQUEENのパフォーマンスを楽しむ姿!

あんなの見せられちゃあね、あの熱狂に俺も…俺たちもいるんだ!!そう思えて仕方ないってなもんです!

f:id:asitanoyamasita:20181129004044j:plain

 

ただ、QUEENに詳しい方々によると『フレディの病が判明するのはこのライブより後なのに、ライブエイド=フレディの半生を総括する…的な描き方はおかしい』とのこと。

つまりは、映画では紆余曲折のすえライブエイドに至る…となっているんですが、実はライブエイドで歌われる曲から逆算して、フレディの半生を当てはめて…って感じで巧妙にストーリーが作り上げられているのかも。
となるとますますナルホド、ますます上手ぇな制作陣…!

なんて事を考えつつ、もう一度友達と観に行く機会があったんですが…やっぱりラストは再び泣かされましたw

『史実を前後させてより娯楽的にしている』なんて解っていようが、どっちにしろ感情移入させられるんだもの…この完成度たるや!やはり傑作です。

 

 

唯一の不満!エンドロールの曲にも和訳を!!

この映画でココが惜しい!なんて点を上げるとしたら、エンドロールの最後に流れる『ショーマストゴーオン』にも和訳歌詞の字幕を付けてほしかった!ってところでしょうかw

ライブエイドのシーンでも、やはり和訳歌詞が映画のドラマとシンクロするからこそ感情がよりダイレクトに揺さぶられたワケだし…だったらあのエンドロールで流れる瞬間にも歌詞が出てくれたら、フレディの、QUEENの偉大さがもっと伝わるのに!!ってね!

 

www.youtube.com

まさにフレディが「死」を意識した絶唱で歌い上げる歌詞なので、先ほどの『史実を前後させてる』という指摘の罪滅ぼしというか、文字通り『彼の真のエンディング・ソング』という意義を示しているでは?って気がするので。

 

つーわけで「ボ・ラプ」感想でした〜(この略し方すき)。

ちなみに劇中で一番好きなセリフは「俺の病について、あれこれ言ったり同情したり、そんなことで俺を退屈にだけはさせないでくれ」っていうトコ…!

特に『俺を退屈にさせるな』って言い回しが、カラオケでもよく歌うお気に入り『ドントストップミーナウ』に通じるやら、あぁもうこの男は前しか見てねぇんだ、と込み上げてくるやら…

 

Bohemian Rhapsody (The Original Soundtrack)
Virgin EMI (2018-10-19)
売り上げランキング: 1