またもや映画観に行ってきました。最近立て続けに行ってるな~。
作品は「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years」。
ビートルズの誕生~解散までの歴史…そのなかでも主に"ライブ活動"にスポットを当てたドキュメンタリー映画です。
一言でいうと「やっぱビートルズってスゲェ…」。これを映画という武器でこれでもか!思い知らされる映画でした。
つーわけで以下に良かった点を箇条書きで。
ドキュメント映像とライブ映像の絶妙な構成
作品としてはビートルズの芸能活動に、その時代の社会情勢などの解説、体験した著名人へのインタビューを時系列順に並べていくまさにドキュメンタリー映画。
でもこれが観ていて飽きない・ダレないから驚きでした。
つーのも「ためになる映像」と「楽しい映像」の構成が上手いんですね。
インタビューや解説パートで見聞を深めていくうち少し脳が疲れてきたな…と思う手前で絶妙にビートルズのライブなどの楽しい映像がやってきて脳もリフレッシュ!さてこの映像のウラには…といった具合。
また、ビートルズというバンド自体、その誕生から解散までの"起承転結"がドラマチックなまでに鮮やか。なのでドキュメンタリーでありつつ『ストーリーを楽しむ』ような感覚も楽しめます。
デビューからライブツアー時代を巡る"ホットな"前半は、ハツラツなビートルズの姿と、そこに群がる無数のファン!ファン!ファン!…「ビートルズ現象」はコレほど凄かったのか…と圧倒されます。
一方でアルバム「リボルバー」後からの「ライブをやめてスタジオミュージシャンへ」移っていく後半では、ビートルズ・ブームに対する社会からの反動や、それに疲れ切ったメンバーの肉声といったシンミリとした映像が立て続けに。
前半の興奮が徐々にクールダウンし、ビートルズたちの複雑な心境を想い抱かずにはいられないというか…
こういう感じでビートルズというバンドの歴史に寄り添い、ユニゾンするような映像運び・チョイスが素晴らしかったです。
ライブ映像&音声がめっちゃキレイ!
なんならこれがこの作品の一番の感動ポイント?
今までTVやネットで観たビートルズの色んな過去映像より、メンバーがクリアーに映っていて、演奏の音もクッキリ聴こえる!それを劇場で楽しめる!というね。
そもそも映画のメインテーマは「ライブ」。
ライブ音源や映像なんて劣悪覚悟が当たり前。ましてや50年ほど前の映像がほとんどなのに、劇場の大スクリーンや音響でも問題なく楽しめるクオリティで「えっこれホントに当時のもの!?」と驚きました。*1
当時の写真並みの高画質で鮮やかな色合いで動くジョンポールジョージリンゴ…の姿はカッコよすぎてしゃーなかったです。
「ビートルズ」史の新たな発見
まだまだにわかビートルズファンな自分なので、この映画から新しい「ビートルズの新知識」を得ることも多数ありました。
例えば、音楽史上初のスタジアム公演を成し遂げた伝説の「シェアスタジアム」ライブ。
『会場の音響設備は劣悪で、観客の絶叫も伴いまともに演奏が聴こえない。これにビートルズたちはライブ活動に嫌気がさし始めた』…て話は有名で知っていたんですが…
例えばその「劣悪な音響設備」ってどんくらい酷かったのか?劇中では「遠い場所へ音を届ける設備は、アナウンス用途で球場の柱に括りつけてあるメガホンを使ってた」という解説と映像が…
(こういうやつ。実際のは柱に針金でくくりつけたもっと古いメガホンという…)
あぁ~…そりゃダメだわな、と一気に合点がいきました。こんなに酷かったんだ、と。
増え続ける観客数の需要に耐えうる大きな会場はスタジアムしかなく、それに対応できる音楽機器の技術すらまだない*2。
つまりは膨らみ続けるビートルズという社会現象に、プロモーターも音楽業界も、ビートルズ自身もついて行けなくなってしまったんだなあ…。
と、こういう具体的な"発見"ができたのも、やはり映像のパワーというか、いやぁ良いドキュメンタリーですよコレは。
ビートルズのスゴさはコレ観りゃわかる!
以上、感想書き散らしてみました~。
鮮やかによみがえるビートルズの映像ってだけでファンは必見。
逆に「ビートルズって聞いたことあるけど、どんくらいすごいの?」という人がいたなら『とにかくこの映画観てちょ。』とオススメしたい、そんな作品でした!
劇中で使われたライブ映像の音源も収録されてる新作のライブアルバム。降りかかる歓声に張り合うようにジョンが歌う「ツイストアンドシャウト」はかなり試聴オススメっす。