映画「ジョーカー」観てきました!
作品の感想の方はこれまた長くなりそうなので一旦おいといて…とにかく今言いたいのは
「ジョーカーのパンフレット、めちゃめちゃ良いから皆買おう!」
ってこと。
特にこの作品を見て面白い!刺さった!と思う人は購入必須です!
とにかく出演者・スタッフのインタビューや様々な評論家の解説など、読み物がすごく充実していて、読んでいて『なるほど…』『そのとおり!』という感じに、これまた刺さる内容がたくさんありました。
なかでも、特に良かったのが出演者と監督のインタビュー。
なぜジョーカー単独の作品を手がけた?という問いへの
この映画は、若い頃に観た『タクシードライバー」76/監督:マーティンスコセッシ)や「狼たちの午後」75/監督:シドニー·ルメット)、『カッコーの巣の上で(75/監督:ミロス·フォアマン)、『セルビコ」(78)/監督:シドニー·ルメット)といった人物描写重視の傑作に影響を受けています。
なぜ最近ああいう映画が作られないのかと思っていましたが、きっと観客から求められなくなったからですよね。そこで 「人物中心の映画に観客を呼ぶには…」と考えた時に、コミックス映画でやろうと思ったんです。
という回答を読んだときは
『俺もまさにそんなふうジョーカーの映画だから〜ってホイホイと見に行って…蓋を開けてみれば…してやられたー!』
って思いましたね…w
※ちなみに監督はコミックスのファンだし、「キリングジョーク」や「ダークナイトリターンズ」もしっかり読み込んだうえでの映画化です。念のため。
また「この映画が犯罪や暴力を誘発するのでは…と一部で叫ばれているが?」という問いにも丁寧に回答したうえで
あとは映画が皆さんの心に届き、世界中で思いやりが欠如していることについても語ってもらえると嬉しいですね。
という言葉で結んでいて、ここに自分はとても納得というか、安心しました。
この映画ではR-15も納得の狂気や暴力が描かれますが、同じくらい今の社会で我々が見逃してしまっている(もしくは目をそらしている)、報われない人々や社会悪の存在をとても悪趣味(ジョーク)な見せ方で観客にぶつけてきます。*1
一見眉をしかめるように不道徳な表現で、だからこそ観客にダイレクトヒットして、逆説的に監督が語っている「思いやりの欠如への反省」に到達するんですよね。
もし監督にあのように語った信念がなかったならば、一連のシーンも本当にただの悪趣味で無意味な、唾棄すべきものに仕上がってただろうな、と思うのです。
主演のホアキンフェニックスも、掲載されているインタビューのなかでそれに通じることを語っていて、
彼の痛みは理解するけれど、やり方は決して正当化できない。僕達には人間として尊ぶべき道徳があって、世界が自分に良くしてくれないから戦争を仕掛けるなんてとんでもない考えです。
としています。
主演と監督、どちらも崇高な矜持のもとに、あえて強烈な表現に挑戦し、見事やり遂げたのだなぁ、と。
インタビューや評論の他にも、主演や監督が手掛けてきた作品を振り返る解説や、ジョーカーというキャラクターの歴史、 これまで彼を演じた俳優や作品についてなど、とにかく内容てんこもり。
「ダークナイトのジョーカーしか知らないな」という人のための『ジョーカー入門』の書としても使えるん使えるんじゃない!?ってレベルの充実度です。
ふだん映画のパンフ買わないんだ、って人も、作品の余韻に浸りすぎて買い忘れちゃってたよ!って人も、とにかく劇場に行って買え!そして読めー!
*1:小人症の人が出てきて、あげくチェーンのあのシーンとか………