1967年版「日本のいちばん長い日」観た。"日本敗戦"を巡り豪華キャストが演じる緊張感
日本の一番長い日
NHKBSプレミアムの「プレミアムシネマ」で放送されていた邦画「日本のいちばん長い日」を観ました。
太平洋戦争終結の日の秘話を描く岡本喜八監督作品。宮城内地下防空壕の御前会議から、ポツダム宣言受諾をめぐる陸軍省、総理官邸の動き、玉音放送と玉音盤奪還などがスリリングに語られる。三船敏郎、加山雄三が共演
思惑めぐる前半パートと、怒涛の後半パート
物語の前半は連合国側からの「ポツダム宣言」の受諾をめぐる政治ドラマ。後半には宣言受諾=無条件降伏に断固反対する青年将校らが、昭和天皇の玉音放送を阻止しようとクーデターを起こす戦闘シーンパート…といった感じ。
前半の政治ドラマパートで、当時の軍人・政治家たちがそれぞれ「敗戦」にどう向き合うのかを描き重ねて、その積み重ねによって張り詰めていた緊張が後半のクーデター勃発パートで一気に炸裂!
史実なので結果こそわかっていても、いったいこの歴史の一ページがどのように終息していくのか…!?と目が離せなくなりましたね~。
豪華キャスト迫真の演技
また、キャスト情報を確認したら、古い邦画に詳しくないんですが名前くらいは見た事のある、って役者がズラリ!これにも驚きました。
そんでその気迫の演技もスゴい。特に死神博士…じゃなくて天本英世演じる、最後の最後まで悪あがきに「国体の保持」を叫ぶクーデター主要犯の大尉。もう「和製ハートマン軍曹」とでも言うべき*1半狂乱じみた怒号は、アップシーンだとチビりかけるレベル。
また、クーデターに共感し実行犯としてともに駆け回る黒沢年男の表情も印象的。
逆に、玉音放送を止めろと銃口をつきつけられながらも真っ向応じないアナウンサー役・加山雄三の演技も、静かな緊張感がピリピリ伝わってきて手に汗握ります。
2015年版もあったよね
まさに歴史ドラマあり、サスペンスあり、戦闘シーンあり、反戦へのテーマあり…と、様々な物語がこの「長い一日」に全て詰め込まれている映画でした。
最初タイトルだけで「延々とスターウォーズEP1の元老院での会話劇がずうっと続くような(←ややこしい例え)作品じゃないのんー?」と思ってました。が、
後半にはクーデターパートで一気に盛り上がるし、前半の会話も戦時下の重大な決断をめぐる緊張感がヒシヒリ伝わってくるので全然楽しめましたw
夏も本格的になってきて終戦記念日も近づくわけですが、こりゃちょうど良い時期に良い映画観たな~っと!流石NHKBS。
そういや少し前にもリメイク版がありましたな。こっちも観たくなりました。
*1:(フルメタルジャケットのが後ですが)