映画「IT “それ”が見えたら、終わり。」感想。恐怖に打ち勝ち成長する子供たちの姿に感動!
映画「IT“それ”が見えたら、終わり。」観てきました!
原作はアメリカの人気作家スティーブンキングのホラー小説。「IT」は未読なんですが「図書館警察」や「トムゴードンに恋した少女」という作品は読んでいました。
どちらの作品も読んでて『子供時代特有の独特な感情や恐怖心を描くのが上手いなぁ…!』と思えた作品。
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そんな作者の描く『子どもたちだけに見える恐怖』が題材の本作はけっこー気になってました。
(そういえば少年時代モノの名作映画「スタンドバイミー」も同じ作者でしたね。)
恐怖に立ち向かうことは気高き成長への試練
いわゆる「ジュブナイル+ホラー」ってのは久々に見るジャンルでしたが、子供たちの個性的なキャラクター、 些細なことから深いトラウマまで幅広い子ども時代に抱く『恐怖』、それに打ち勝つまでの子供たちの勇気と友情の育み、そして一瞬の幻のような異性への恋・憧れ…
などなどの期待していた要素がしっかり押さえられていて『そう、まさにこれを観たかったんだ!』てな感じ。大満足でした!
作中には子供たちと対比するように「卑怯な大人」がいくつか登場し、そこから『父殺しの物語』とか『イニシエーション(通過儀礼)』のドラマを感じさせるシリアスな描写も…。ホラーという題材を通して、子供が人として卑怯でない、正しい大人へ成長する事へのテーマを追求していく物語になっています。
終盤は恐怖に打ち勝って凛々しくなった子供たちの表情にウルっとさせられ、こりゃ単なる「子供が主役のホラー」じゃない傑作だなーと。
ただR-15指定なことからもわかるとおり、ホラーシーンはしっかりガチで怖がらせてきますw あとちょっとグロいシーンもあり…
ホラー映画はほとんど見ないので、怖いシーンは薄目ではよ終わってくれ…とうめきながら観てましたw
個人的には、いじめっ子グループの一人が 下水道に閉じ込められて、ゆっくりと赤い風船を目の前に突きつけられるシーンが1番キツかった…あのスクリーンいっぱいに風船が視界を覆う威圧感と、恐怖を『待たせる』間の取り方…ドッと疲れましたw
美しい風景に、自転車で駆け抜ける少年たち
ホラーとは別に 自然の風景や街並みなどもこの映画で気に入ったポイント。
舞台はアメリカの最北東にあるメーン州の架空の町。子供たちが川遊びをするシーンの山河のきらびやかさ、都会すぎず田舎すぎないむしろ自分の世代がノスタルジーを感じる80年代末の家や町並み…
原作者スティーブンキングが同じ舞台を他の作品でも好んで使っているため、既読の作品で想像していたとおりの風景を映像で観ることができた気分です。
また、そんな風景を少年たちがことあるごとに一斉に自転車で移動するんですよ~。この構図もまた懐かしい気分に浸らせてくれます。
アメリカの若者は中学?高校?くらいですぐにクルマに乗り始めるイメージなんですが、この映画の子供たちくらいの年齢だとさすがに自転車ですねw
子供時代、友達との交流のなかで常に傍らにあるモノ、必須アイテムが自転車であるのは、日本もアメリカも同じなのだなと思うと面白いです。
そんな感じで映画「IT」感想でした〜。
オバケ屋敷も拒否りがちなビビリゆえ劇場でホラー映画を観たのはもしかして初めてだったかも。
やっぱりホラーは苦手ですが、スティーブン・キングが得意とするテーマをしっかり捉えた素晴らしい映画化作品でした!劇場へ観に行けて良かったです。